酒呑童子の娘 鬼刃姫
酒吞童子之女 鬼刃姬
好感事件1
「真是不可思議呢。」 . |
「不思議なものね」 |
「明明到不久前為止,我們都還在反目對立, 現在卻變得像這樣,讓你請我喝茶。」 . |
「少し前までは互いに反目しあう仲だったのに、 今ではこうしてお茶に招待してもらうようになるなんて」 |
「想起來呀王子, 你也是受了我家鬼刃眾好幾次照顧呢。」 . |
「思えば王子、 あなたにはあての鬼刃衆が何度か世話になったね」 |
「可是,感覺那也好像, 是好久以前的事情了……」 . |
「でも、それも何だか すごく前のことのように感じる……」 |
稍微寂寥地笑了笑, 鬼刃姬傾斜茶杯,文雅地啜茶。 . |
少しだけ寂しげに笑うと、 鬼刃姫は湯吞みを傾けて上品に茶をすする。 |
「……不是回盼過去,而是看著未來行動。」 . |
「……過去ではなく、未來を見て行動する」 |
「話這樣說,聽起來說不定太便宜我了, 但我不能夠駐足不前……」 . |
「なんて言うと、都合の良すぎる言葉に 聞こえてしまうかもしれないけれど、 あては立ち止まってられないから……」 |
「所以,為了討伐要打倒的對手, 我才決定和外人聯手的……」 . |
「倒すべき相手を討つ為に、 あては人と手を組むって決めたんだ……」 |
我瞭解。 我像是回報她的決意一般,頷首表示回覆。 . |
分かっている、と 彼女の決意に報いるように頷きを返す。 |
「謝謝你,王子。 你接受了身為鬼族人的我,我真的很感謝。」 . |
「ありがとう、王子。 鬼であるあてを受け入れてくれて、本當に感謝してる」 |
「今後也多多指教囉。」 . |
「今後ともよろしくね」 |
鬼刃姬的嘴邊浮現微微的笑容, 我說「也請你多多指教」,伸出手。 . |
口元にかすかな笑みを浮かべる鬼刃姫に、 こちらこそ、と言って手を差し出す。 |
「……欸?」 . |
「……え?」 |
本來以為會回來的觸感, 完全沒有傳到我的手上。 . |
返ってくると思われた觸感が、 一向に俺の手に屆かない。 |
怪異的沉默停留在我們之間, 鬼刃姬再也忍不下去,開口道: . |
妙な沈黙が俺たちの間に居座ると、 居たたまれなくなった彼女が口を開いた。 |
「這隻手是,什麼……?」 . |
「この手は、なに……?」 |
鬼刃姬眉頭皺得看起來很詫異, 我回說,就像妳看到的,是握手。 . |
けげんそうに眉をひそめた鬼刃姫に、 見ての通り握手だが、と返す。 |
「你說握手……」 . |
「握手って……」 |
「你不怕,碰我啊?」 . |
「あてに觸れるのが、怖くないの?」 |
怕? 我反問道。 . |
怖い? と俺は反問する。 |
「……要是我有那個意思, 區區人類的手,可是能輕鬆握碎的喲?」 . |
「……あてがその気になれば、 人間の手なんか簡単に握りつぶせるんだよ?」 |
妳不會那麼做吧;我一問道, 鬼刃姬就像嚇到似地,瞠目注視我。 . |
そんなことはしないだろう、と問うと、 鬼刃姫は驚いたように目を剝いて俺を見つめた。 |
「……你明明,就還不清楚我是誰, 我卻還蠻受你信賴的呀。」 . |
「……まだ、あてのことをよく知らないのに、 けっこう信頼してもらえてるんだね」 |
「好吧,假如王子無論如何……」 . |
「まあ、王子がどうしてもって言うなら……」 |
把冒著蒸氣的茶杯放在桌上, 鬼刃姬畏畏縮縮地把手伸了過來。 . |
湯気の立つ湯吞みを卓に置き、 おずおずと手を伸ばしてくる。 |
一旦我主動握住她小小的手, . |
その小さな手をこちらから握ってみせると、 |
「呀嗚……!」 . |
「ひゃぅっ……!」 |
她便洩出一聲小小的哀鳴, 閉上眼睛,顫抖了一下肩膀。 . |
と、小さな悲鳴を漏らし、 目をつむってピクンと肩を揺らした。 |
「……」 . |
「……」 |
然後,她戰戰兢兢地張開眼睛。 . |
そして、彼女が恐る恐る目を開ける。 |
「……!」 . |
「……っ!」 |
一旦確認到自己的手還被握著, 帶著赤紅的臉頰上, 便浮現了有別於此的,感情的朱紅。 . |
まだ握られている自分の手を認めると、 赤みがかった頬に、 それとは別の感情の朱が浮かんだ。 |
「……」 . |
「……」 |
「……欸嘿嘿?」 . |
「……えへへ?」 |
那是她下意識的笑容。 . |
それは、無意識の笑みだった。 |
正因為如此, 表情看起來,才不同於至此為止的她, 顯得純潔而惹人憐愛。 . |
だからこそ、 それまでの彼女とは異なる、 無垢にして愛らしい表情に映った。 |
「啊……對、對不起。 剛才我是不是,很奇怪呀……?」 . |
「あ……ご、ごめんなさい。 ちょっと今のあて、変だったよね……?」 |
「像這樣和人好好握個手, 我還是第一次……」 . |
「こんな風に誰かとちゃんと握手をするのは 初めてだったから……」 |
第一次? 我將忽然感覺到的異樣化作言語。 . |
初めて? と俺はふと感じた違和感を言葉にする。 |
「嗯……第一次。」 . |
「うん……初めて」 |
「……我很特殊的。」 . |
「……あては特別なんだ」 |
「我作為父親……不對, 作為酒吞童子的女兒, 過了一段好像籠中之鳥,很是封閉的幼少時期。」 . |
「父上……ううん、 酒吞童子の娘として、 鳥かごの鳥のような閉鎖的な幼少期を送ってきたからね」 |
「所以,我的存在,同樣是鬼族,也是受人恐懼; 我也就沒能和外面其他人一同遊玩,或是有所接觸……」 . |
「だから、同族の鬼の中でも怖がられる存在だったし、 誰とも遊んだり、觸れあったりなんてできなかった……」 |
「所以你還不要……」 . |
「だからまだ……」 |
「……還不要,把手放開。」 . |
「……まだ、手を離さないで」 |
隨著好似快聽不見的微聲, 一隻小小的手疊到了我的手背上。 . |
消え入りそうな聲とともに、 小さな手が俺の手の甲に重ねられた。 |
「我想要再稍微,就保持這個樣子……」 . |
「もう少しだけ、このままで……」 |
「……我想要再多感覺一些,」 . |
「……感じてたい」 |
「多感覺這手的溫暖……」 . |
「この手の溫もりを……」 |
「……好不好呢?」 . |
「……ダメ、かな?」 |
她將淒楚而帶著哀求的雙眼筆直向著我,對我問道。 . |
切なげな哀願の瞳をまっすぐに向けて俺に問う。 |
我沒有回答那問題,取而代之, 我將自己還空著的手, 重疊在她的手上。 . |
その問いに答える代わりに、 俺は自分の空いている方の手を 彼女の手に重ねた。 |
「王子……」 . |
「王子……」 |
這樣行嗎,我對她問道。 . |
これでいいかな、と俺は問いかける。 |
「嗯……」 . |
「うん……」 |
「這樣就,行囉……」 . |
「これで、いいよ……」 |
「王子的手,非常溫暖。」 . |
「王子の手、すごく溫かい」 |
「這就是人類的溫度哪。」 . |
「これが人間の溫もりなんだね」 |
如此低聲說完, 鬼刃姬展露出相符於年幼外表的笑容; 她有好一陣子,都一直握著我的手。 . |
そう呟いて、 幼い見た目に相応しい笑みを見せた鬼刃姫は しばらくの間、俺の手を握り続けるのだった。 |
好感事件2
「……睡覺時角會不會擋到?」 . |
「……寢る時に角が邪魔にならないか」 |
「唉呦,怎麼可能會啦。」 . |
「もう、なるわけないじゃない」 |
「真是的,你不要用人類想像力的圈子, 來把我圈住好不好。」 . |
「まったく、人間の想像力の枠內に あてを當てはめないでよね」 |
我在自己房間的沙發上和鬼刃姬並排而坐, 天南地北地亂聊一通。 . |
自室のソファに鬼刃姫と並んで座り 他愛のない話に花を咲かせていた。 |
「還是說,王子會不會是 一邊看著我的角,一邊在想那種事情呀?」 . |
「というより、王子はもしかして あての角を見ながらそんなことを考えてたの?」 |
一邊說著,鬼刃姬用雙手, 頻頻對我的手,又是摸,又是握的。 . |
言いながら、鬼刃姫は両手で しきりに俺の手を撫でたり握ったりしている。 |
原本聊天就是個藉口, 這番乍看無謂的亂聊,其真意, 就在於她可以這樣盡情擺弄我的手。 . |
もとより會話は口実に過ぎず、 この一見無駄に見える會談の真意は 彼女がこうして俺の手を存分に弄ぶことにある。 |
之前兩人單獨會面以來, 鬼刃姬似乎就相當中意把握我的手, 人也變得會找藉口造訪我的房間。 . |
前に二人きりで會ってから、 鬼刃姫は俺の手を握ることがいたく気に入ったようで、 何かと口実を作っては俺の部屋を訪れるようになっていた。 |
「——欸?問我就那麼喜歡王子的手啊?」 . |
「——え? そんなに王子の手が好きかって?」 |
我混著玩笑一問, 鬼刃姬就頓然失語,瞠目結舌。 . |
冗談まじりに尋ねると、 鬼刃姫はハッと目を丸くした。 |
「唔……這個嘛……」 . |
「う……それは……」 |
「……呃。哎呃……算、喜歡吧?」 . |
「……ま。まあ……好き、かな?」 |
「……嗯。喜歡。」 . |
「……うん。好き」 |
「很喜歡……不如說,相當喜歡。」 . |
「けっこう……ていうか、かなり」 |
看上去稍顯害羞地說完後, 鬼刃姬把沒握著我的那隻手舉到臉前。 . |
少しだけ恥ずかしそうにそう言うと、 鬼刃姫は俺の手を握っていない方の手を顔の前に掲げる。 |
「……因為我是鬼族。」 . |
「……あては鬼だから」 |
「我這身為鬼族的手, 對人類來說,就只是帶來破壞的東西。」 . |
「鬼であるあてのこの手は、 こと人間に対しては破壊をもたらす為のものでしかない」 |
「……我本來是那麼想的。」 . |
「……そう思ってた」 |
「但那也只是過去的鬼族人會那樣而已。」 . |
「でもそれは、過去の鬼たちがそうだっただけのこと」 |
「當然, 現在也還有很多鬼族的人和人類敵對……」 . |
「もちろん、 今も多くの鬼たちが人間と敵対してるけど……」 |
「但是,就算因為那樣, 我也沒必要去模仿。」 . |
「でも、だからって、 あてがそれに倣う必要はない」 |
「因為……因為我都這個樣子, 用我這雙手,和人類的王子聯繫上了。」 . |
「だって……あてはこうして この手で人間である王子と繋がれたんだから」 |
說完之後,鬼刃姬 稍微加強握住我的手的力道。 . |
そう言って鬼刃姫は、 俺の手を握る力を少しだけ強める。 |
只要有那意思,就能夠像捏紙屑般捏碎我的手,鬼族的手。 . |
その気になれば紙くずのように俺の手を握り潰せる鬼の手。 |
但是,從她的手所傳來的, 就只有柔和的慈善。 . |
だが、彼女の手から伝わってくるのは 柔らかな優しさだけだった。 |
「能夠這樣感受王子的溫暖, 現在我非常高興……」 . |
「こうして王子の溫もりを感じられるのが、 今はすごく嬉しいの……」 |
——柔和的笑容。 但是卻微乎其微地透漏出一種寂寞。 . |
——柔和な笑み。 けれどその何処かに、 わずかな寂しさが垣間見えてしまう。 |
所以我才會這樣嗎。 不知不覺間,我將她整個人抱了過來。 . |
だからだろうか。 知らぬ間に、俺は彼女を抱き寄せてしまった。 |
「——呀!?」 . |
「——ひゃっ!?」 |
「王、王子……?」 . |
「お、王子……?」 |
困惑的鬼刃姬, 在我的臂彎中略略打顫。 . |
戸惑う鬼刃姫が、 俺の腕の中で小さく震えている。 |
硬質的角的觸感,讓我實際感受到, 我正緊抱著鬼刃姬,而不是別人。 . |
硬質な角の感觸が、 他ならぬ鬼刃姫を抱きしめていることを実感させた。 |
「為、為什麼,要這樣……」 . |
「な、なんで、こんな……」 |
「我明明,就是鬼族……」 . |
「あて、鬼なのに……」 |
不喜歡讓人類抱緊緊嗎。我問道。 . |
人間に抱きしめられるのは嫌か、と訊ねる。 |
「……不會。」 . |
「……ううん」 |
「不會討厭呀……」 . |
「嫌じゃないよ……」 |
「可是……王子會討厭吧?」 . |
「でも……王子は嫌でしょ?」 |
「問為什麼……」 . |
「なんでって……」 |
「因為……角,會刺到啊……」 . |
「だって……角、刺さっちゃうし……」 |
「妳還真會胡思亂想哪」 我碰觸她的角,讓她實際看看。 . |
変なことを気にするんだな、と 彼女の角に觸れてみせる。 |
「你、你幹嘛……!?」 . |
「ちょ、ちょっと……っ!?」 |
「被你那樣,摸得那麼溫柔……我、我很難為情的啦……」 . |
「そんなふうに、優しく撫でられたら……は、恥ずかしいよ……」 |
嘴巴上是那麼說, 但鬼刃姬端正的臉龐上露著微笑。 . |
そんな言葉を口にするが、 鬼刃姫の端正な顔には微笑みが浮かんでいる。 |
「居然不怕鬼族的象徵, 王子你還真是個怪人類……」 . |
「鬼の象徴を怖がらないなんて、 王子って本當に変な人間……」 |
「但是,要說怪……我也一樣吧。」 . |
「でも、変なのは……あても一緒か」 |
「因為……我, 我明明是個鬼族,還喜歡上了人類。」 . |
「だって……あては、 鬼のくせに人間のことを好きになっちゃってる」 |
「王子……」 . |
「王子……」 |
鬼刃姬輕輕閉上雙眼。 . |
そっと鬼刃姫が瞳を閉じる。 |
「……最喜歡你了。」 . |
「……大好き」 |
要接吻時, 額頭上的角並沒有多麼擋人。 . |
キスをするのに、 額の角はさほど邪魔にはならなかった。 |
好感事件3
「唔——嗯……還是用『我( /wo3/ )』嗎?」 . |
「うーん……やっぱり『私』?」 |
「還是用『小女子』?」 . |
「それとも『わたくし』?」 |
「……可是用『偶』之類的, 搞不好王子會說很可愛……」 . |
「……でも案外『あたい』とかでも 王子は可愛いって言ってくれそう……」 |
在房門前看到低聲自言自語的鬼刃姬背面, 我從背後向她搭聲「有什麼事情嗎?」 . |
扉の前で獨り言を呟く鬼刃姫の背中を見かけ、 何か用か、と背後から聲をかけた。 |
「——呀!? 王、王子……原來你沒在房間啊?」 . |
「——ひゃぅっ!? お、王子……部屋にいるんじゃなかったの?」 |
別把人說得都不出門的好不。 我一邊苦笑說道,一邊打開房門,問她「進來嗎?」 . |
人を引きこもりみたいに言うな、 と苦笑しつつ扉を開け、入るか、と訊ねる。 |
「……嗯?」 . |
「……うん?」 |
點了頭的鬼刃姬步伐輕巧地走向沙發, 一如往常文雅地坐到上頭。 . |
頷いた鬼刃姫はとてとてとソファに向かい、 いつものように上品にそこに腰掛ける。 |
輕輕頷首回應將期待眼神對向我的她, 我邁步靠近,在可愛鬼族少女的旁邊坐了下來。 . |
期待の眼差しを向ける彼女に軽い頷きで応じ、 俺は歩い寄って愛らしい鬼の少女の隣に腰を下ろした。 |
「欸、我剛才說了什麼?」 . |
「え、さっきあてが言ってたこと?」 |
用指尖碰觸我的手背的鬼刃姬,被我這麼一問, 就像隻受驚嚇的貓咪,肩膀打了好大一個冷顫。 . |
俺の手の甲に指先で觸れた鬼刃姫は、 問われた途端、驚いた貓みたいにギクリと肩を震わせた。 |
「呃,欸欸,那個是呀……」 . |
「え、ええと、あれはね……」 |
小小的指尖好像迷了路般,在我的手背上來來去去。 . |
小さな指先が迷うように俺の手の甲を行ったり來たりする。 |
「那個,那個啊,王子……」 . |
「あの、あのね、王子……」 |
「…………我( /wo3/ )……」 . |
「…………わ……」 |
「……我( /wo3/ )、我( /wo3/ )是『我( / ngo3 / )』喲?」 . |
「……わ、私、あてだよっ?」 |
「……欸,奇怪?」 . |
「……って、あれ?」 |
我忍不住笑出聲來, 一邊握住她的手,一邊詢問「怎麼突然這樣啊?」 . |
思わず噴き出した俺は、 急にどうしたんだ、と彼女の手を握りながら訊ねる。 |
「我( /wo3/ )是『我( / ngo3 / )』」 不就變成只是在說「我是我」而已嘛。 . |
『私、あてだよ』では、私は私だと 言っているだけのことになってしまうではないか。 |
「因、因為…… 把自己叫作『我( / ngo3 / )』的人, 除了我以外幾乎就沒有了嘛?」 . |
「だ、だって…… 自分のことを『あて』って呼ぶ人なんて あての他にはほとんどいないでしょ?」 |
鬼刃姬心虛地低語道。 . |
心細そうに呟く鬼刃姫。 |
她將握著的我的手帶到膝上, 再將空著的手蓋上去包覆住。 . |
握った俺の手を膝の上に招き、 空いている方の手を被せて包み込む。 |
「至少,在王子身邊的人們, 都沒有一個人用這麼奇怪的自稱……」 . |
「少なくとも、王子の傍にいる人たちには そんな変な呼び方をしてる人なんて一人もいないし……」 |
「所以,我才想,要待在王子身邊, 是不是要換一個更符合王子的自稱, 會比較好一點……」 . |
「だから、王子の傍にいるためには もっと王子にふさわしい呼び方に 変えたほうがいいのかなぁ、って思って……」 |
自稱什麼的都無所謂啦。 我對鬼刃姬的擔心一笑置之。 . |
呼び方なんて関係ないさ、 と俺は鬼刃姫の心配を一笑に付す。 |
但是,鬼刃姬好像還不是很信服, 一面把帶著憂慮的眼光落到腳下,一面說: . |
だが、鬼刃姫はまだ納得がいかないのか、 憂いを帯びた眼差しを足下に落としながら言った。 |
「因為……我是鬼族人啊。」 . |
「だって……あては鬼だから」 |
「我比人類的力氣還大,頭上又長角,皮膚的顏色也是…… 和人類……應該說,和王子完全不一樣,」 . |
「人間より力は強いし、角も生えてるし、肌の色も……。 人間と……というか、王子とは全然違うから」 |
「……所以,我是想要稍微靠近王子的。」 . |
「……だから、少しでも王子に近づきたいの」 |
「我覺得要是不這樣,身為鬼族人的我, 根本就比不過其他的人類女孩子。」 . |
「そうでもしないと、鬼であるあては どうしたって他の人間の女の子には敵わないと思うから」 |
鬼刃姬吐落一陣憂鬱的嘆息。 . |
物憂げな溜息を落とす鬼刃姫。 |
那側眼看起來,就只是一個年幼的少女; 我輕輕將她那纖細無依的肩膀靠了過來。 . |
その傍目には幼い少女にしか見えない 細く頼りない肩にそっと肩を寄せる。 |
然後緩緩地, 我在長在她額頭的角上面輕輕吻了一下。 . |
そしておもむろに、 彼女の額に生えた角に軽くキスをした。 |
「呀……!」 . |
「ひゃッ……!」 |
鬼刃姬小幅地打了個驚顫, 用她那因為詫異和羞恥而睜圓的雙眼,向上看我。 . |
ぴくん、と小さく肩を揺らした鬼刃姫は、 驚きと羞恥に丸くした瞳で俺を見上げる。 |
「王、王子……你別親那邊——嗯……!」 . |
「お、王子……そんなところにキスしちゃ——んっ……!」 |
我用半帶戲弄的親吻讓鬼刃姬又一次顫抖之後, 悄聲說,我怎麼就不能親你角了。 . |
戯れのような口づけでもう一度鬼刃姫を震わせてから、 なぜ角にキスしては駄目なんだ、と囁く。 |
「什麼怎麼就……呀嗚! 唉、唉呦……王子你……」 . |
「なんでって……ひゃぅっ! も、もう……王子ってばぁ……」 |
浮現出傷腦筋笑容的鬼刃姬, 自己把肩膀靠了過來,閉上眼睛,對落在唇上的吻,甘之如飴。 . |
困ったような笑みを浮かべた鬼刃姫は、 自ら俺に肩を寄せ、目をつむって浴びせられるキスを甘受する。 |
她那包覆著我的手的雙手, 不知何時,感覺變得更加暖活了。 . |
俺の手を包んでいる彼女の両手が、 いつしかより暖かくなっているように感じた。 |
「……王子,那個呀,」 . |
「……ねえ、王子」 |
鬼刃姬忽然張眼,目不轉睛地瞅著我看。 . |
ふいに鬼刃姫が目を開け、じっと俺を見つめる。 |
「我啊,之後會變得更厲害喔。」 . |
「あて、これからもっと強くなるよ」 |
「不管多強的對手打過來, 我都絕對會保護王子的喔。」 . |
「どんなに強い相手が來ても、 あてが絶対に王子を守ってあげるからね」 |
謝謝妳,我打自心底道謝, 用還空著的手輕輕撫摸她的頭。 . |
ありがとう、と俺は心からの禮を述べ、 空いている方の手で彼女の頭をそっと撫でる。 |
於是乎,鬼刃姬便無邪地作了個微笑, 但過了一小會,她的笑容上又添加了點哀戚的神色。 . |
すると鬼刃姫はあどけなく微笑んだが、 しばらくするとその笑みに切なげな色を差し浮かべた。 |
「……可是呀,王子,」 . |
「……でもね、王子」 |
「我要是變得愈來愈強, 就會和人類——和人類的王子愈離愈遠, 會漸漸變成那樣的存在。」 . |
「強くなればなるほど、 あては人間から——人間の王子から かけ離れた存在になっていくと思う」 |
「因為……畢竟我是鬼族。 是那個酒吞童子的,親生女兒……」 . |
「だって……あては鬼だから。 あの酒吞童子の、実の娘だから……」 |
鬼刃姬如是低語;她的兩手包覆著我的手,時不時地微微顫抖。 . |
そう呟く鬼刃姫の両手が、俺の手を包んだまま小刻みに震える。 |
能夠把身為人類的我的手,輕鬆握碎,一雙鬼族的手, 現在無依無靠得,好像一吹就會飛走。 . |
人間である俺の手など軽く握りつぶせる鬼の手が、 いまは吹いたら飛んでしまいそうなほど心もとない。 |
「……就算我變成那個樣子, 王子你可不可以也不要變得討厭我,厭惡我?」 . |
「……そうなったとしても、 王子はあてのこと、嫌いにならないでいてくれる?」 |
「這雙手,你可不可以一直把握下去?」 . |
「この手をずっと、握り続けていてくれる?」 |
從鬼刃姬那蕩漾得很是淒楚的雙瞳, 落下閃閃發光的晶粒,在臉頰上畫下一道緩緩的軌跡。 . |
切なげに揺れる鬼刃姫の瞳から、 きらりと光る粒がこぼれ、頬にゆるい軌跡を描く。 |
我用空著的單手握住她的手背, 就這麼不發一語,在打冷顫的少女唇上,親吻。 . |
俺は空いた片手で彼女の手の甲を握り、 そのまま無言で、寒そうに震える少女の唇にキスをした。 |
「嗯……」 . |
「んっ……」 |
「…………欸嘿嘿?」 . |
「…………えへへ?」 |
「王子,再一次……」 . |
「王子、もう一回……」 |
妳要幾次我都沒問題。我在心中低語, 然後再次將臉靠向鬼刃姬。 . |
何度でもしてやるさ、と心の中で呟いて、 俺は再び鬼刃姫に顔を寄せる。 |
人類和鬼族——既然雙方的差異絕對不會有所彌補, 鬼刃姬在今後,應該也會因為和我的關係,而繼續心懷糾葛。 . |
人と鬼——その雙方の差異が決して埋まるものではない以上、 鬼刃姫は今後も、俺との関係に葛藤を抱き続けるのだろう。 |
所以我才要好幾次地親吻她, 要一直握著她這雙手。 希望我和她之間的間隙能稍微弭平。 . |
だから何度でもキスをして、 いつまでもこの手を握り続けよう。 少しでも彼女との間の隙間が埋まるように。 |
「嗯…………( 啾 ) 」 . |
「ん…………ちゅっ」 |
「……欸嘿嘿? 王子,再來一次……」 . |
「……えへへ? 王子、もう一回……」 |
事件三裡面的「我( / ngo3 / )」其實是我自己創造出來的發音。這邊為之後有可能的爭議感到抱歉。我曾經想過兩種方案:從華語當中找到合適的人稱,或是直接搬用日語的發音。
先講前者。我從古代漢語,或是目前中國北方的晉語當中,想要找出一個適合的發音來對照原文,無奈目前我能找到的資料都有殘缺,讓我不太敢放心使用。
古代漢語的部分,本來是想要從鬼刃姬的原型——茨木童子的活動年代,來找到適合的自稱。把茨木童子的活動年代對照到中國朝代,可以發現大概是在唐、宋時期。我找到這個時候的「我」的發音,但是網路影片上頭標示的音標超出我的理解,無法看著音標唸出來。
晉語的狀況是,我有找到比較易於發音的音標,但是我之前的語言學講義搞丟了,弄得我是話卡在喉嚨,想念又念不出來。
不論是古代漢語,或是晉語,還有一個問題是,無論發音為何,字形都離不開「吾」「我」,這樣子就必須增加發音標記。這在閱讀體驗上,其實並沒有很順暢,但也只能當成必要之惡。
照用日語的部分,直接標記成「我(ate)」「我(watashi)」是很方便,但是這種「寫成A,念成B」的日語語言習慣,我認為並不適合放進華語裡。就算有人覺得可以,通常也不是什麼正式的語言習慣,而是單純覺得「阿日文也再用阿,與言都麻是會演變的」,這我不同意。
最後,我決定自創一個發音。我把「我」的羅馬拚音 / wo3 / ,其中的 / w /,替換成 / ? /,也就是文中的 / ng /,變成各位看到的 / ngo3 /。會決定選用 / ? / ,是因為在查閱資料時,發現有些「我」的音標開頭,是使用 / ? / 的,所以我才決定用這個發音。
用一個自創發音,我是覺得如果出現更正確的,可以立刻替換掉,而不用再多加牽拖;而且在ACG圈,沿用日語來自創語言表現,是一個很常見的情形。所以,我才認為有一用的價值。
當然,這個是非官方翻譯,和官方翻譯相比,只有話語權的大小,而對錯和適當與否則在其次。這個是我對「あて」這一自稱給出的解法,雖然風險超級大,卻是我目前能想到的辦法,也是我對我的翻譯負責的方式。我不會像那些大咧咧講自己不專業翻譯,還沾沾自喜的傻子一樣。