カリス:「よっ、遅刻だぜ?」
フォルス:「ごめんごめん、
書類が思うように減らなくてさ」
「カリスのほうは、よく無事に
休みがとれたね」
「実家のほう、いま、
すごく忙しいんだろう?」
カリス:「ん、まあな......転職前に予想してたよか、
ちょいとだけハードかな」
「今も、実は山ほど仕事が殘ってんだ
メテオラが代わりにやってくれてる」
フォルス:「珍しいね、メテオラが
そういう助け方をしてくれるのって」
「カリスに対しては、どっちかっていうと
厳しいお目付き役だと思ってたけど」
カリス:「『今日ダケハ特別デス』だとさ」
「オレが今日のオフを楽しみにしてたから、
それが潰されるのを見かねた、らしいぜ」
「調停機構勤めをやめてからこっち、
毎日が嵐みたいな激務だからなー......」
「だいぶ、參ってるように
見えてたみてーだ」
フォルス:「じゃあ、調停機構に
戻ってくる?」
カリス:「じょーだん
今オレは、すげー充実してんだ」
「未練がないとまでは言わねーけど、そのために
今の毎日を手放す気にはなれねーな」
フォルス:「そっか、殘念だよ
引き抜き失敗か」
カリス:「それより、オマエがこっちの家に
來るってのはどーだ?」
「おめーだったらうちの従業(yè)員全員と話せるから
即戦力間違いねーし」
「兄貴たちとも気が合いそうだしな」
フォルス:「冗談
僕こそ、今がすごく充実してるんだ」
「そっちも楽しそうだとは思うけど、
調停機構をやめてまでっていうのは、ね」
カリス:「だよなー」
「あーもーちくしょー、
世の中どーにも、ままならねーなー」
フォルス:「まあまあ、今日のところは
素直にメテオラに感謝しとこう」
「世の中、思うようにいかないことが
いろいろとたくさんあるけど」
「そういうことにばかり目を向けて、
大切なものを見失うのはダメだと思うんだ」
「いま、君とこうして一緒にいるのは楽しいよ
それと、君もそう思ってくれてると信じてる」
カリス:「相変わらず強引だな、オマエはよ
......まあ、否定できねーんだけど」
「やっぱオマエ、すげーよなー......
オレもがんばんなきゃまずいよなー......」
「はあ......」
フォルス:「カリス?」
カリス:「っだー!
気合だ! 気合を入れろオレ!」
「よし、そこの!
その拡聲器貸せ!」
フォルス:「ちょ、ちょっとカリス?」
大家さん:「あらぁ、面白そうじゃない
歌わせてあげたら?」
フォルス:「大家さん!?」
カリス:「よっしゃ、店のオーナーから
許可が出た!」
「今夜のオレは?止まれねーぞー」