31番目のお妃様第31位王妃殿下
作者:桃巴
31番目の妃『その後は』第31位妃子『那之後』
原文連結漫畫生肉***『その後1?サブリナとミミリー』***『那之後1。薩布莉娜與米蜜莉』
「あーら、サブリナさん。いつまで経っても上達しませんこと」「哎—呀,薩布莉娜小姐。不管經過多久都進步不了」
その聲の主はミミリーである。サブリナはこめかみに青筋をたてながら、ニッコリと笑む。強引なる笑顔だ。 那聲音的主人是米蜜莉。薩布莉娜額頭一邊冒著青筋,一邊微微一笑。是強顏歡笑。
「あーら、ミミリーさん。いつでもミミズをお供にしておりますのね。ほら、足もとに」「哎—呀,米蜜莉小姐。總是有蚯蚓做伴呢。妳看,在腳邊」
ミミリーはヒィィィっと後ずさった。だが、そこにミミズはいない。 米蜜莉唏地往後退。但是,那裡沒有蚯蚓。
「私がきれいに剝いたタロ芋の皮でしたわね。てっきりミミズかと。おほほほほ」「是我削得很漂亮的塔洛芋皮呢。我還以為是蚯蚓。喔呵呵呵呵」
今度はミミリーのこめかみに青筋がたった。 這次是米蜜莉的額頭冒出青筋。
「お目が悪くなるなんて……もう老化ですの? ご無理をなさらずタロ芋の皮剝きは私にお任せを」「別說眼睛變差了……都已經老化了嗎? 別勉強了,削塔洛芋皮就交給我」
「何ですって! ミミズーごときが、私の足もとを這っていればいいのよ!」「妳說什麼! 蚯蚓一樣的在我腳邊爬就好了啦!」
二人は立ち上がり、互いに睨みをきかせる。両者一歩も引かずのにらみ合いはいつものことである。集まった侍女は、大いなるため息を胸のうちで吐いた。 兩人站了起來,互相瞪視著彼此。兩人一步都不退讓的敵視是常有的事。聚集的侍女在胸中大大的吐出嘆息。
サブリナは咎められはしなかったが、公爵によって『下働き』を命じられ、王城の臺所へ放りこまれたのだ。ブッチーニ侯爵もそれに追隨し、ミミリーを『下働き』に出した。同じ王城の臺所へと。二人の父親の愛のムチであると同時に、フェリアが指示した二人の令嬢への処遇である。二人には伝えてはいないが。 薩布莉娜雖然沒有被究責,但被公爵下令為『打雜』,被丟往王城的廚房。布奇尼侯爵也緊隨其後,把米蜜莉推出為『打雜』。同樣前往王城的廚房。是兩位父親的愛之鞭的同時,也是菲莉亞所指示對兩位千金的待遇。沒有傳達給兩人就是了。
「怠け者には飯抜きが掟だよ! さっさと皮剝きをおし!」「懶惰者沒飯吃是規定喔! 趕快動手削皮!」
ケイトの聲が臺所に響いて、いつものように事が収まる。二人の令嬢は急いで皮剝きを開始するのだが、競爭の如く競いあう皮剝きは、タロ芋の體積を極限まで小さくしてしまう。そして、互いに鼻で笑いあい、またいさかいが起こるのだ。 廚房響起凱特的聲音,像往常般結束事態。兩位千金雖急忙開始削皮,但有如競爭的互相比賽削皮,塔洛芋的體積小到了極限。然後,彼此互相用鼻子嘲笑,再次發生爭論。
この二人が、『下働き』のなんたるかを理解するのはまだまだ先のようだ。 這兩位理解到『打雜』的些什麼似乎還在遙遠的未來。
***『その後2?女官長』***『那之後2?女官長』
「あんた! そのへっぴり腰なんとかしな!」「喂妳! 想辦法挺直那軟趴趴的腰桿!」
こん棒を手に持った女官長は、カロディアの洗禮たる魔獣倒しの最中だ。これもフェリアの指示である。後宮での売られた喧嘩のお返しとばかりに、洗禮を指示したフェリアを誰が責められようか。 手拿棍棒的女官長正在作為卡羅迪亞的洗禮打倒魔獸當中。這也是菲莉亞的指示。幾乎算是在後宮被找碴的回禮,又有誰能指責做出洗禮指示的菲莉亞呢。
女三人組での魔獣倒しに、女官長が見習いで入っている。魔獣に一撃を食らわせねば、カロディア入領を許可しないとのリカッロの命だ。 打倒魔獸的女性三人組,女官長加入其中實習。不讓魔獸吃到一擊的話,就無法允許進入卡羅迪亞領是里卡羅的命令。
『ガルルルゥゥ』『嘎嚕嚕嚕-』
一番の弱者女官長に魔獣は狙いを定めたのか、のそりと魔獣の巨體が動いた。女官長は『ヒエェェ』と奇聲を発し、闇雲にこん棒を振り回した。 魔獸是打定瞄準最弱者的女官長嗎,魔獸的巨體慢悠悠地移動。女官長發出『唏唉』的怪聲,胡亂地來回揮舞棍棒。
「ボコンッ!!」「波叩!!」
振り回したこん棒が、たまたま魔獣の急所にあたり、魔獣はバッタンと倒れた。 來回揮舞的棍棒偶然打中了魔獸的要害,魔獸啪嗒地倒地。
「あんた、良い腕してんな。領主屋敷の世話なんかより、私らと組まないかい」「妳有副好本領呢。比起照料什麼領主官邸,要不要跟我們組隊呢」
女官長は涙目になり、首をプルプル橫に振った。聲が出せていない。 女官長淚眼汪汪,不斷左右搖著頭。發不出聲音來。
「そうかい、そうかい。了承してくれるのかい。嬉しいこった!」「是嘛、是嘛。妳同意了呀。我很高興呀!」
カロディアの女に容赦はない。女官長は引きずられていく…… 卡羅迪亞的女性毫不留情。女官長逐漸無路可退……
女官長の行く末は険しいようだ。 女官長的前途似乎很險峻。
***『その後3?王城では』***『那之後3?在王城』
「お願いよ、ビンズ! どうしても欲しいの。あなたの種が欲しいのよ!」「拜託了啦,賓茲! 我無論如何都想要。我想要你的種子啦!」
邸から聴こえてきた聲に、マクロンはピキリと固まった。 馬庫隆聽到來自宅院的聲音霎時僵住了。
「お願い、ビンズ……內緒でお願いよ」「拜託了,賓茲……是秘密的請託喔」
フェリアの懇願の聲にマクロンの顔は鬼のような恐怖面だ。バーンッと門扉を蹴りあげて、邸に入った。驚いて、目を開くフェリアとビンズの元に、凄まじい怒オーラのマクロンが進んだ。 馬庫隆的臉因菲莉亞懇求的聲音形成一副鬼般的恐怖臉。砰地踢開門扇,進入宅院。馬庫隆一身可怕的憤怒氣場,走進到驚訝得睜大眼睛的菲莉亞與賓茲身旁。
フェリアはマクロンの怒オーラは、お願いをする自分を拒むビンズを怒っていると思っている。よって、フェリアはマクロンにすがった。 菲莉亞以為馬庫隆的憤怒氣場,是在生氣拒絕了自己所拜託的賓茲。因此,菲莉亞依賴著馬庫隆。
「お願い、マクロン様も協力して」「拜託了,馬庫隆大人也來合作」
「あい、わかった!」「好,朕知道了。」
マクロンはフェリアを擔ぐと、ズンズンと邸宅に向かう。フェリアは何が起こったのかわからず、じたばたと體を動かした。 馬庫隆扛起菲莉亞後,迅速地朝向宅邸。菲莉亞不明白發生了什麼,掙扎地動著身體。
「暴れるな。欲しいなら! 我の種にしろ。しばし(たった三日)、來れなかったからといって、ビンズの子種をせがむなど!」「別亂動。想要的話! 就用朕的種子。才說了暫時(不過三天)不能來,就央求賓茲的子種!」
譯:子種又可翻為精子
マクロンは、ベッドにフェリアを投げる。フェリアはマクロンの行動も発言も、全く理解できず、『ただ種が欲しいのです』と、キレ気味に発した。マクロンへの一撃も加えて。 馬庫隆把菲莉亞丟上床。菲莉亞完全無法理解馬庫隆的行動與發言,隱含氣憤地說出『只是想要種子』。也給馬庫隆追加一擊。
みぞおちを蹴られたマクロンは踞る。 被踢中心窩的馬庫隆蹲著。
「ビンズったら、稀少な種を持っているのに私に分けてくれないの! この王城の土壌でも試したいって何度もお願いしてるのにぃ!」「明明賓茲他呀,擁有著稀少的種子卻不分給我! 我拜託了好幾次也想試試這座王城的土壤的說!」
フェリアはじたばたとベッドの上で暴れた。そして、つと踞るマクロンを発見すると、小首を傾げる。 菲莉亞在床上掙扎著亂動。然後,忽然發現蹲著的馬庫隆,微微歪頭不解。
「あれ、マクロン様?」「怎了,馬庫隆大人?」
「……種が欲しいのだな?」「……是想要種子的吧?」
復活したマクロンは、フェリアがちょこんと座る橫に座った。 復活的馬庫隆坐在起身坐起的菲莉亞旁邊。
「はい! マクロン様も協力くださいませ。マクロン様が言ったら、ビンズも少しは分けてくれるもの」「是的! 也請馬庫隆大人幫忙。馬庫隆大人說了的話,賓茲也會稍微分點給我。
「では、種をもらったら、我のお願いも聞いてくれるな?」「那麼,收到種子後,也能聽聽朕的願望嗎?」
「マクロン様ったら、もうぉっ。マクロン様のお願いは何だって聞きたいわ」「馬庫隆大人真討厭啦。我很想聽聽馬庫隆大人的願望是什麼喔」
マクロンは言質をとったとニヤリと笑う。マクロンは意気揚々と邸から出ると、ビンズから種を奪い取る。いや、ビンズは差し出したようなものだ。 馬庫隆大人取得諾言後咧嘴一笑。馬庫隆意氣風發地從宅院出來後,從賓茲那奪走種子。不對,是賓茲交出來的。
「王様も勘違いされましたか?」「國王陛下也誤解了嗎?」
ビンズはニヤついている。心なしか周りの騎士らもそんな顔だ。 賓茲笑嘻嘻地。心理作用嗎周圍的騎士們也是那樣的表情。
「ええ、私も最初は同じ勘違いをしまして、肝が冷えました。私の場合は葉もの野菜の種をせがまれましたが、フェリア様は種のこととなると、何の種かということが飛んでいってしまうようですよ。ただ、『お願い、欲しいのぉ』とせがまれますので、勘違いしてしまいますよね」「對,我最初也一樣誤解了,嚇出一身冷汗。我的情況是被央求了葉菜的種子,但菲莉亞大人當成是種子後,似乎飛奔過來問是什麼種子。只是被央求了『拜託,我想要』,而誤解了呢」
ニヤニヤ 笑嘻嘻
ニヤニヤ 笑嘻嘻
マクロンを見る皆の目が生あたたかい。 看著馬庫隆的眾人眼神很溫暖。
マクロンはむずむずと這う背中の気恥ずかさに、少々頬を赤らめた。耳はもっと赤い。 馬庫隆對背上癢癢地爬過的羞恥,臉頰稍微潮紅。耳朵更紅。
「お、お前がさっさと種を渡さんからだ!」「你、你們快把種子交出來!」
「いえいえいえ、そちらの種は王様がフェリア様のために取り寄せた例の種です。手渡ししたい王様のために、死守しておりましたが?」「不行不行不行,這邊的種子是國王陛下為了菲莉亞大人索取來的先前的種子。為了想要親手交付的國王陛下而死守不放的?」
マクロンは『グッ』と喉を詰まらせた。 馬庫隆『咕』地哽咽了。
「……み、見つかってしまっているではないか。ビンズともあろうものが、不手際すぎるな。まあ良い。我から渡しておこうではないか」「……這、這不是被發現了嗎。有賓茲在也拙劣了。算了也好,不就是由朕來交付嗎」
ビンズは心の中で突っ込む。『だから、あなた様が贈りたくて取り寄せた種ですって』と。 賓茲在心中吐槽。說道『所以是想讓您贈送才索取來的種子』。
逃げ帰るよう、フェリア邸に戻るマクロンの足が早足であることは、誰もが気づいたが誰もそれを口にはしない。マクロンはやはり背中がむず癢いと思うのであった。 馬庫隆逃回家般地回到菲莉亞宅的腳健步如飛,誰都注意到了但誰都沒有把那事說出口。馬庫隆果然認為背後很癢。
その後、フェリアがマクロンからどんなお願いをされたのか…… 那之後,菲莉亞被拜託了怎樣的願望呢……
翌朝 隔天早上
ニヤけ顔のマクロンが、フェリアを橫抱きで邸から出てきたことが答えである。一日中、フェリアの足は地に著かなかった。一日中橫抱き狀態にされ、羞恥の姿をさらすことになったフェリアであった。 笑容滿面的馬庫隆橫抱著菲莉亞從宅院走出來就是答案。菲莉亞的腳一整天都沒有著地。一整天都是被橫抱的狀態,是落得要曝曬羞恥姿態的菲莉亞。
『その後』~完~ 『那之後』~完~
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最後まで読んでいただきありがとうございます。非常感謝您讀到最後。
桃巴。