4.好感度全滿劇情
雲ーつなく、 晴れ渡る青空。
エリンギと二人で、 ブロッサムヒル城下町を囲う
城璧の調査任務にあたっているところである。
萬里無雲,晴朗的藍天。
我和杏鮑菇兩人,正在進行圍著茂盛之丘
城下町的城牆調查任務。
調査とは言っても、 そこまで本格的なものではなく、
その璧が壊れていないかを見てチェックするだけの
簡単な任務であった。
雖說是調查,但並不是什麼非常正式的事情,
只是查看城牆是否損壞而進行檢查的簡單任務。
それは町の外側から調べる必要があったため、
萬が一害蟲が出現した時に備えて、
花騎士であるエリンギを帯同させているのだ
因為有必要從城鎮的外側進行調查,
所以為了以防萬一有害蟲出現,
我帶著身為花騎士的杏鮑菇一同隨行。
エリンギ:
はやく……はやくこの任務を終わらせて、
帰って引きこもりたいですね……
杏鮑菇:
好想……好想快點完成這個任務,
然後回家閉門不出啊……
任務が始まったぱかりなのに、
早速帰りたいなどと言い出すエリンギ。
明明任務才剛剛開始了,
杏鮑菇卻說著想馬上回去之類的話。
この前の討伐任務の時も、 彼女はそう漏らしていた。
討伐に比べたら今日の任務の方が楽なのだから、
もう少し頑張って欲しいところだが。
上次進行討伐任務的時候,她也是這麼說的。
不過和討伐相比今天的任務比較輕鬆,
所以希望妳能再努力一些。
エリンギ:
確かに、 討伐任務よりは……。
いえ、 今日の任務もなかなか辛いですよ?
そもそもわたしは、 日差しが大の苦手ですので……
杏鮑菇:
確實,比起討伐任務的話……。
不對啊,今天的任務也很辛苦啊?
說到底,我對待在陽光下這事很不擅長……
エリンギは、 かなり暗い女の子である。
引きこもることが何よりも好きなのだ。
こちらとしては、 もう少し外に出てきて欲しい。
そういう気持ちもあって、 彼女を連れてきたのだ。
杏鮑菇是個相當陰沉的女孩。
不知為何很喜歡閉門不出。
就我而言,希望妳能外出走一走。
也是因為這樣,我才把她帶出來的。
今日のような日差しの中にいたら、
嫌でも気分が晴れてきそうなものだが。
即便像今天這樣在陽光下,
就算討厭心情也會變得舒暢的。
エリンギ:
むしろ、 日の當たらない場所の方が
気分は晴れますよ……。
できることなら、 永遠に引きこもっていたいです……
杏鮑菇:
倒不如說,沒有陽光的地方
心情也會好起來的……。
如果可以的話,我想永遠待在家裡……
しかし、 花騎士となった今、
永遠こ引きこもっているなんてことはできないだろう。
むしろ、 よくエリンギは花騎士の道を選んだものである。
但是,成為花騎士的現在,
不可能永遠閉門不出吧。
倒不如說,真虧杏鮑菇妳選了成為花騎士這條道路。
エリンギ:
元々は、 両親に、
花騎士になるために努力するなら、
好きなだけ引きこもっても良い、
と言われていたんですよ……
杏鮑菇:
原本父母都說,
如果能為了成為花騎士而努力的話,
就可以隨心所欲地閉門不出……
エリンギ:
それで、 騎士學校に入ったわけなんですが、
花騎士になった後も、
自由に引きこもっていられるものなんだと
わたしが勝手に勘違いしていたんですよね……
杏鮑菇:
後來,我進入了騎士學校,
當我成為一名花騎士後,
以為可以自由的閉門不出這一點
應該是我擅自弄錯了吧……
エリンギ:
いざ花騎士になってみると、 やっぱり、
引きこもってばかりというのは難しいですよね……
杏鮑菇:
果然,一旦成為花騎士之後,
想要總是閉門不出是很困難的啊……
それはそうである、
花騎士の主な仕事は、 世界平和のために害蟲と戦うことだ。
害蟲がこの世界に蔓延している間は、
自由に引きこもることなんてできないだろう。
是這樣沒錯,
花騎士的主要工作,是為了世界和平而與害蟲們戰鬥。
當害蟲蔓延到這個世界的時候,
哪能自由地閉門不出呢。
エリンギ:
……そうですよね……。
その通りですね……
杏鮑菇:
……說的也是……。
是這樣沒錯……
とりあえず、 この調査任務が終わるまでは、
外の日差しを我慢していて欲しい。
これが終わったら、
どこでも好きなところで引きこもっていて良いから。
總之,在這次調查任務結束之前,
想請妳忍受一下外頭的陽光。
結束之後,
隨妳待在家裡都可以。
エリンギ:
分かりました……。
今から、 引きこもれるのが楽しみです……。
もう少しの辛抱ですね……
杏鮑菇:
我明白了……。
從現在開始,我會期待能在自己家裡待著……。
就再忍耐一下吧……
エリンギ:
……無理を承知で団長さんに聞いてみるんですが、
引きこもりながらできる花騎士の仕事って、 あるんですか?
杏鮑菇:
……明知是無理取鬧但還是向團長先生打聽一下,
有沒有能閉門不出就可以進行的花騎士的工作嗎?
……普通に考えて、 ないだろう。
先ほども言ったが、 花騎士の仕事は害蟲を倒すことである。
害蟲が屋外に出る以上、 外に出るしかない。
……一般來說,不可能有吧。
剛才也說了,花騎士的工作是打倒害蟲。
既然害蟲都離開室內了,那就只能出去了吧。
エリンギ:
ということは……
部屋に害蟲が出たら、 外に出なくて済みますね……
杏鮑菇:
也就是說……
如果屋子裡有害蟲的話,就不用出去了吧……
それは……いや、 それほどまでの事態になったら、
ますます外に出て戦わなけれぱならないだろう。
町、 崩壞してるし。
というか、 引きこもる場所自體が破壞されているのではないか。
那就……不對啊,如果事情變成那樣,
那就更該要到外面去戰鬥才行。
畢竟,城鎮會被破壞掉。
不如說,閉門不出的地方本身也會被破壞殆盡。
エリンギ:
……それは、 確かにそうですね……。
やっぱりわたしは、
外に出なくてはいけないということですね……。
頑張ります……
杏鮑菇:
……那個,說的也是呢……。
果然我還是,
終究得要出去的啊……。
我會努力的……
そう言いながら、 エリンギが急にこちらに身體を寄せてくる。
思わずドキッ、 としてしまう。
杏鮑菇邊這麼說著,一邊突然把身體湊到我這裡來。
我不由得心驚肉跳。
エリンギ:
団長さんの陰に入りたいんです……
ここなら、 直接日の光に當たらなくて済みますから……
杏鮑菇:
我想躲進團長先生的身後……
只要在這裡的話,就不用直接曬太陽了……
エリンギ:
本當はもっと前から、 ここに入りたかったんですが、
なかなか、 踏み出せなくて……
杏鮑菇:
其實很久以前,我就很想來這裡了,
只是,很難邁出步伐……
しかし、 ここまで近いとお互い動きにくいだろう。
エリンギは、 こちらの左半身にピッタリとくっついている。
但是,如果貼的很近的話根本就動不了吧。
杏鮑菇和我的左半身緊緊地貼在一起。
エリンギ:
団長さん……。
あまり動かないでください……
杏鮑菇:
團長先生……。
請不要隨便亂動啦……
エリンギは、 目を逸らして俯いた。
照れているようだった。
動かないでくれと言われても、 任務の真っ最中である。
ずっと靜止しているわけにもいかない。
杏鮑菇把眼睛移開,並低下了頭。
表情好像很害羞。
雖然叫我別動,可是任務還在進行中耶。
總不能老是靜止待在這裡吧。
エリンギと密著したまま、 城璧沿いを歩いていく。
彼女は、 こちらの背後にくっついたり、 前にくっついたりと、
日の當たる角度によって、 ちょこちょこ移動していた。
それがまた可愛らしかった。
和杏鮑菇緊貼在一起,沿著城牆走著。
她黏在我的背後,或者貼在前面,
依著陽光照射的角度,輕輕地移動著。
這模樣著實可愛極了。
エリンギ:
……団長さん、 歩くの、 速いですよ……。
もうちょっとゆっくり歩いてくださいよ……。
これでは、 すぐ町を一周してしまいますよ……?
杏鮑菇:
……團長先生,走的好快啊……。
你能走得再慢點嗎……。
這樣一來,馬上就要繞完城鎮一圈了喔……?
エリンギは、
任務を早急に終らせて帰りたいのではなかったのか?
彼女は、 上目遣いでチラリとこちらを見る。
そして、 顏を赤らめながら袖をギュッと摑んできた。
杏鮑菇啊,
妳不是想快點完成任務後回去的嗎?
她的眼睛,一直往我這邊看著。
然後,邊紅著臉邊緊抓著袖子不放。
エリンギ:
……そ、 それはそうなんですけど……。
何と言いますか、 えっと……。
歩くのが速いと、 日差しを上手く避けられないので……
杏鮑菇:
……那,那倒也是呢……。
我想說什麼呢,那個……。
走路速度太快的話,就無法好好避開陽光了啊……
この調査任務は、
目に見える範囲で城璧に目立ったヒビや穴などがなければ良し
という、 実に簡単なものである。
這個調查任務,
如果在能看到的範圍內,城牆沒有明顯的裂縫和大洞就好了
真的非常簡單。
やっていることと言えば、
ただ、 壁を眺めて歩いているくらいだ。
エリンギにくっつかれながら任務を遂行する様子は、
最早ただのデートであった。
說到現在做的事情,
就只是看著城牆走著。
一邊被杏鮑菇貼著身子一邊完成任務的樣子,
已經能算是一次約會了吧。
エリンギ:
団長さん……あの……わたし……
杏鮑菇:
團長先生……那個……我……
エリンギ:
……い、 いえ、 何でもありません……。
何でもないです……
杏鮑菇:
……啊,不,沒什麼事……。
真的沒什麼事……
どうかしたのか、 と尋ねる。
體調が悪いわけではなさそうだが……。
怎麼了嗎,我問道。
看樣子不是身體不好的樣子……。
エリンギ:
……こんなことを団長さんに言ったら、
変な人だと思われてしまうかもしれないんですが……
杏鮑菇:
……這種事如果跟團長先生說的話,
也許會讓人覺得我是個奇怪的人……
絶対に変な人だと思わないから、 教えて欲しい。
そう思わせぶりに言われたら、 気になる。
我絕對不覺得妳是奇怪的人,所以請告訴我吧。
而且被妳這麼一說,我就很在意了。
エリンギ:
では、 言いますね……。
団長さん、 笑わないでくださいよ……?
杏鮑菇:
那麼,我就說了喔……。
團長先生,請別笑我喔……?
エリンギ:
騎士団で調査活動などをしていると、
たまに、 寶箱を見つけることがありますよね?
団長さんは、 あれを見て、 どう思いますか?
杏鮑菇:
騎士團在做調查活動的時候,
偶爾,會找到寶箱吧?
團長先生,看到那個你覺得怎麼樣?
どう思うと言われても……中身が気になるくらいだ。
そういえぱ、 ちょうど昨日、 あそこの森で調査が行われて、
開かない寶箱が一つ見つかったのだ。
覺得怎麼樣的話……我會比較在意內容物吧。
對了,正好就在昨天,在那邊的森林裡進行了調查,
找到了一個沒打開過的寶箱。
どうやっても開かないということで、
その寶箱は騎士団のもとに運ばれてきた。
そして、 色々な人の力を借りながら、
ようやく開けることができたのだが……中身は空だったのだ。
因為怎麼樣也打不開,
所以那個寶箱就被運到了騎士團這裡。
然後,在借助許多人的幫助下,
終於打開了……可是裡面卻是空的。
昨日はあんなに皆に囲まれて注目されていた寶箱だったが、
先ほど見た時は、 廊下にポツンと寂しく放置されていた。
やはり、 寶箱は中身が大事なのだ。
昨天還是被大家那麼關注著的寶箱,
而不久前才看到的時候,在走廊上孤零零地被放置著。
果然,寶箱裡的東西很重要呢。
エリンギ:
え、 そ、 そんなことがあったんですか……?
……えっ、 本當に……?
杏鮑菇:
誒,有、有這種事嗎……?
……誒,真的嗎……?
妙にその話に喰いついてくるエリンギ。
そこまで寶箱が好きだったのか。
では次にそういう任務があったら……。
杏鮑菇對這話題還意猶未盡。
妳就這麼喜歡寶箱嗎。
那麼下次有類似的任務……。
エリンギ:
いえ、 寶箱を探す任務が好きというわけではなくて……
わたしは、 寶箱の中に入っているものが、
うらやましい、 という話をしようと思っていたんです……
杏鮑菇:
不,我並不是喜歡尋找寶箱的任務……
我啊,對於寶箱裡裝著的東西,
覺得很羨慕,本來是想跟大家說的……
エリンギ:
特に、 暗いところにひっそりとある寶箱。
その中に入っていたいと思いませんか?
きっと、 楽しいですよね……?
杏鮑菇:
尤其是,裡面暗暗的寶箱。
難道不想進去裏頭嗎?
這一定很有趣的吧……?
……?
寶箱の中に入っているものがうらやましい……?
寶箱の中に入っていたい……?
……?
羨慕寶箱裡的東西……?
想進到寶箱裡面……?
危ない。
「エリンギを変な人だと思わない」
という約束を破りそうになってしまった。
彼女は至って真面目な顔をしている。
真是危險啊。
差點打破了「我不覺得杏鮑菇是奇怪的人」
的這個約定了。
她真的非常一本正經。
エリンギ:
暗くて、 靜かな場所で、 一人で……良いですよね……?
杏鮑菇:
在黑暗、安靜的地方,一個人待著……很不錯吧……?
確かにそこは、 引きこもることが大好きな者にとって、
絶好の場所なのかもしれない。
しかし、 そんな挾い場所に一人でいるのは、 退屈だろう。
暗くて本すらも読めないのに、 そこて何をするつもりなのか?
的確,對於那些非常喜歡閉門不出的人來說,
這可能是個絕佳的地方。
但是,一個人待在這樣狹小的地方,會很無聊吧。
明明很暗連書都不能看,那你打算要做什麼呢?
エリンギ:
妄想です。
色々な妄想をするんです。
きっと、 すごく……すごく、 楽しいですよ……?
杏鮑菇:
妄想喔。
我有很多的妄想。
這一定,非常……非常開心哦……?
そんな話をしているうちに、
町の外側を一周し、 任務が終了した。
城璧に全く異常はなかった。
すると、 エリンギがソワソワし始める。
在談論這些事情的時候,
我們已經繞了城鎮外頭一圈,任務結束了。
城牆全部毫無異狀。
然後,杏鮑菇開始心神不定起來。
エリンギ:
で、 ではお先に失禮します……。
そろそろわたし、 限界です……
杏鮑菇:
那,那麼我先告辭了……。
這差不多是,我的極限了……
エリンギはそう呟くと、 そそくさと走って帰ってしまった。
もう少し彼女といたかったが、 しょうがない。
この日差しの中、 よくここまで頑張ってくれた。
杏鮑菇喃喃自語著,匆匆忙忙地跑回去了。
我本想再和她待一會的,但這也沒辦法。
在這陽光下,已經做得很好了。
戻ってくると、 誰もいない廊下に例の寶箱がまだ置いてある。
そこから、 エリンギのスカートの裾がはみ出していた。
まさか……。
回來之後,在空無一人的走廊下還放著那個寶箱。
杏鮑菇的裙子下擺,從那裡露了出來。
難不成……。
エリンギ:
うわっ!
杏鮑菇:
哇!
……その寶箱を開けてみると、
やはり、 エリンギが入っていた。
……打開那個寶箱之後,
果然,杏鮑菇就在裡面。
エリンギ:
だ、 団長さんからこの寶箱の話を聞いてから、
いてもたってもいられなくて……
杏鮑菇:
自,自從團長先生口中聽到這寶箱的事情之後,
我就坐立不安了……
エリンギ:
ただ、 申し訳ないんですが……、
入ったら、 底が抜けてしまって……
杏鮑菇:
只是,很抱歉的是……,
一進去之後,底部就掉了……
どうせ捨てるものだから問題無い。
覗きこんでみると、 だいぶ派手な穴が開いていた。
寶箱に人が入ることなんて想定されていないだろうから、
そこまで強い作りではないのだ。
反正都要扔掉,所以沒有問題。
往前看,發現有個很花哨的洞。
估計沒有人會把人裝進寶箱裡面,
所以應該沒有什麼特別的機關吧。
エリンギ:
あれ、 何でしょう、 これは……
杏鮑菇:
啊咧,這是,什麼啊……
エリンギが、 一枚の紙を見つけた。
それは、 古い地図のようだった。
杏鮑菇她,找到了一張紙。
看起來,像是一張老舊的地圖。
その寶箱は、
彼女が破ってしまった底の下に
更にもうーっ底がある二層構造になってあり、
その閉ざされていた空間に、 この地図が隱されていたのだ。
那個寶箱,
在她打破的底部下
底部還有一層的雙層結構,
在那個封閉的空間裡,這張地圖被隱藏起來了。
それは、 調查の結果、
ブロッサムヒル周辺の古代の地図であることが分かった。
寶箱に引きこもろうとしたエリンギのおかげで、
歴史的発見がなされたのである。
然後,調查結果表明,
這是紀錄茂盛之丘周邊的古代地圖。
多虧了躲在寶箱裡面的杏鮑菇,
這是歷史上的發現。