Vol.5
「ツカサ、あんた、要領悪いんじゃない?」
マニュアルとにらめっこしつつ書類を作成していたら、隣の席から身を乗り出したミチルにそう言われてしまった。
「そうかな? マニュアルを読み込んで手順さえ覚えれば、もうちょっと早くできるようにはなると思う」
なにしろ數日前に入社したばかりだ。慣れてないことはどうしても時間がかかるよ。
でもミチルはそんな俺の言い分なんて聞くつもりはないらしく。
「どうだか」
明らかに信用していない目だ。
そこに、カヅキさんまで話に加わってきた。
「マニュアルに頼るのもいいが、それだけじゃ仕事の本質は理解できねえぞ」
「は、はい! すみません!」
たまらず背筋を伸ばして返事してしまった。カヅキさんって、言葉の端々に凄みのようなものを感じるんだよな……。
「ミチル、ツカサにコツを教えてやれ」
一瞬、ミチルは不満そうな表情を浮かべた。でも。
「スパルタでいいからな」
カヅキさんがそう付け加えると、二人してニヤリと不敵な笑みを浮かべた。
なんだ、今のアイコンタクトは……。
「しょうがないから、あんたにみっちり教えてあげるわ。今日中に使えるレベルにしてあげるから、ちゃんと覚えなさいよ」
「なんか、顔が怖いんだけど」
「それどういう意味!?」
「いえ、なんでもないです!」
迂闊なことは言えないな……。
「ねえねえツカサ」
そこへ聲をかけてきたのは、向かいの席のザックだ。
「うちの職場って肉食系女子が多いな~って、今思ったでしょ?」
天使みたいな邪気のない笑顔で、そんなことを指摘してくる。
「ちょっとザック! 肉食系ってなによ!? 失禮ね!」
ミチルがザックに文句を言っている橫で、俺は苦笑いを浮かべるしかなかった。正直、言い得て妙だなって、心の中で納得しちゃったから。
と、しばらく給湯室に籠もっていたアイラが俺の席までやって來て、熱々のハーブティーを出してくれた。ハーブ特有の爽やかな香りが漂う。
「どうぞ」
「ありがとう。もしかしてアイラも、肉食系女子だったり……する?」
「お肉は食べない」
俺の問いに、アイラはなぜかキリリと表情を引き締めた。
「そもそもギフティアは、食事しなくても平気なので」
「そういうことを、聞いてるんじゃないんだけどな……。あはは」
でも今ので分かった。アイラは、どう考えても肉食系じゃないな、うん。よかったよかった。
電撃G's Magazine 2015年5月號掲載
「司,你不會抓訣竅嗎?」
在我邊緊盯手冊邊寫筆記時,從隔壁桌探出身子的滿如此說道。
「是這樣嗎? 我認為循規蹈矩的把手冊讀熟的話,可以讓自己早一點派上用場」
畢竟我也是幾天前才進公司的。不熟悉的事情再怎麼樣也要花點時間呀。
但看樣子滿似乎是不打算聽我這樣的辯解。
「怎樣」
明顯不怎麼信任的眼神。
在一旁的香月小姐也參與了話題。
「雖然依靠手冊是很好,但那也只是了解工作的本質而已喔」
「是、是的! 不好意思!」
難以抑制的挺直背筋回答了。總覺得香月小姐的話各方面都讓人感到畏懼啊……。
「滿,去教一下司要領」
一瞬間,滿似乎浮現了不滿的表情。但是。
「這可是斯巴達式的給我做好覺悟啊」
香月小姐如此安排給我們兩人,臉上浮現一絲淺淺的賊笑。
剛剛交會的眼神是怎麼回事……。
「真拿你沒辦法,我會嚴格的教你的。今天要教給你的是實用階段的東西,所以給我好好地記住」
「總覺得表情有點可怕」
「你什麼意思!?」
「不、什麼都沒有!」
不能說愚蠢的話啊……。
「吶、吶、司」
向這邊搭話的是對面座的札克。
「我們的職場好多肉食系女子啊~之類的,你剛剛這麼想了吧?」
像天使般天真無邪的笑容指謫了我這種事。
「等等札克! 肉食系是什麼意思!? 太失禮了!」
滿正對著札克提出抗議,我只能在一旁苦笑著。說真的,說得太妙了,所以在心裡表示了同意。
這時,窩在茶水間一段時間的艾拉來到了我的座位,遞給了我熱騰騰的香草茶。香草特有的清新香味飄了出來。
「請用」
「謝謝妳。難道說艾拉,也是肉食系女子……來著?」
「我不吃肉」
對於我的問題,不知為何艾拉繃緊了神情。
「說起來GIFTIA不吃飯也沒問題的」
「雖然我不是在問這個……。啊哈哈」
不過現在我了解了。再怎麼想艾拉也不會是肉食系的呢,嗯。太好了。